はありましねえ、見ようとも思わないねえ」
と与八が答えました。
「そうだとも、見ようとも思わないのが本当だ。お上《かみ》だって、好んで見せたいから梟《さら》すわけじゃあるめえ。まして首を斬られて、梟される御当人と来ちゃ、これも酔興とはいえねえが、それでもあんなところへ上りたがる首が、いつになっても絶えねえのは浅ましいことだね。若い衆さん、お前だって長い一生には、いつそんなものを見せられねえとも限らねえのだから、心得のために覚えておきなよ、引廻しになっても、ならなくても、いよいよこの首が浅右衛門さんあたりの手で、血溜りへ落ちてしまったと思いなさい、そこで非人がその首を引上げて、手桶の水で洗いまさあ、洗って一通りの手当をしてから、俵の中へ包むんだね、この首をさ、そうすると獄門検使というのと、町方年寄とか、村方年寄とかいうのと、同心とが出て来てその首を受取る、その首の俵へ青竹をさし込んで、二人の非人がお仕置場へ持って行って、獄門にかけるという段取りだが、この首が……」
 七兵衛はさながら、自分のこの首が、明日の朝は獄門台にでも上るものかのように、自分の手で、首筋をぴたぴたとたたきながら、

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