か、お前の日頃の口ぶりでは、道具さえあれば何でも御所望次第、というようなことを言いながら、こうなって後ろを見せたがるのがオカしいじゃないか、今日はこの通り、ちゃんと道具が整っているのだから、否応《いやおう》は言わせません、一つ弾いてごらん」
「弱りましたな」
 お絹は、こいつが口先ばかり、万芸ことごとく堪能《たんのう》のようなことを言っているが、その実、おっちょこちょいの空《から》っぽということを知っているから、今日は苦しめてやるつもりで、三味線を押しつけてみると果して辟易《へきえき》してしまい、三味線を押しつけられるごとに、ジリジリと後ずさりをして、怯《おび》えきったところを見すまし、
「素直に御所望に従わないと、今日限りお出入りを差しとめるよ」
「恐れ入りやした、以来、広言は固く慎《つつし》みますゆえに、御勘弁の程をお願い申しやす」
 全く白旗を掲げてしまったのを見て、お絹も追究はせず、
「そうだろうと思った。では、これで許して上げるから今後をお慎み――そうして、もっとこっちへ寄って、何か面白い世間話を聞かせておくれな」
 そこで金助が、自分が近ごろ見聞いたところの世間話を、薄っぺ
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