らな唇でぺらぺらしゃべり出し、嘘八百のおべんちゃらを並べて、とどのつまり、拙《せつ》もこれでかなりの色男でゲス、というような見得《みえ》をきるものだから、
「金公、お前、そうして締りなくしゃべり歩いて、それでも少しはいろ[#「いろ」に傍点]は出来るのかい」
とお絹が高飛車に言いました。
「へ、へ、へ、へ、そう見くびったものでもございません、これでも男のハシクレでございますからな」
金助は、しゃあしゃあとして顎《あご》を押えたから、お絹もあきれていると、金公いよいよ納まり返って、
「御覧《ごろう》じませ、こうしておりますてえと、それ金さん、お召物を差上げましょう、ヤレ金公、お小遣《こづかい》を持って行きなと、諸方からこの通り恵んで下さいますので、金助、いっこう生活《くらし》に不自由というものを感じません」
「あきれちまうねえ――そういえばこの羽織なんぞも、そんなに悪くない羽織だが、どこから恵まれたの」
といって、お絹がヤケにぐんぐんと金助の着ていたゾロリとした羽織を引張ってみました。
「どうか、おてやわらかに願いたいもんで。尤《もっと》も多少お手荒く扱われましょうとも、さめたり、破れた
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