く、醜辱の感を催しました。
ああ、かの女の朝寝は、当然、昨夜の夜更かしを連想する。
昨晩もかの女は外出した。そうして帰りはいつであったか、主膳すらも知らない。
主膳も最初のうち、火の車の時にこそ、あの女の才覚で、どうやらこの所帯を張っていたのだから、その時は、あの女を大切にもしたし、自然、その外出がおくれたりする時には、いらいらもしたが、今は七兵衛のおかげで、懐ろは温かくなっているし、あの女の不良性はもう慣れっこになっているのだから、このごろは、その出入りをさまで気にも留めていなかったが――今朝という今朝は、不思議なほどの醜辱を感じました。
神尾主膳は、入木道《にゅうぼくどう》の快感から、朝寝、夜ふかしの醜辱に、苦々《にがにが》しい思いをして、再び筆を取る気にはなれず、じっと机に肱《ひじ》をもたせて、やはりその苦々しい思いで、眼を据えて、前庭をながめっきりにしておりました。
主膳といえども、この頃は、手持無沙汰に堪えられないものがあるのであります。「黄金多からざれば、交わり深からず」といった頼もしい連中は、多少の黄金を振りまいている間は集まって来るが、その水の手が切れれば、雲
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