シュウ」
と、変テコな呼び名をしました。
 外が遽《にわ》かに騒がしくなって、失踪《しっそう》の茂太郎と、それを探索の三人が立帰って来たのは、その時でありました。
 そこで、再び、すべての者がこの一堂に会してお茶を飲み、そうしておのおの寝室を分って眠りについたのは、いくらもたたない後のことであります。

 駒井甚三郎は、例の寝台の上に身を投げかけると、何かしら今晩はヒドク疲れたように思いました。そこで、暫く眠りもやらずグッタリと休息しているうちに、駒井はこのごろ中、自分のこの閑居《かんきょ》へ、偶然に集まって来た連中のことを思い浮べて、微笑を禁ずることができません。
 変った人間ばかり集まって来たようではあるが、結局、人間というものは憎めないものだ――というような淡い感情に、かなり長いあいだ漂わされていたが、やがて、不意に起き上って寝台から飛び下りたのは、海竜が現われたという警報が聞えたわけでもなく、また、例の兵部の娘が、窓の外からしきりに侵入を企《くわだ》てているというわけでもありません。
 駒井は、急に寝台から飛び下りて書架のところまで行くと、辞書と覚しい部厚な洋書を一冊抜き取って
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