》の幹を取って、それを一節切《ひとよぎり》のようにこしらえてみたのです。最初あの子供が、穴を三つだけ明《あ》けて、しきりに工夫しているようですから、拙者が寄って五つにさせました。いわば二人の合作の新楽器ですから、支那のいわゆる蘆管――遼東の小児の弄《もてあそ》ぶそれとは違っているかも知れません」
「胡笳《こか》というのとは、違いますか」
「それは違いましょう、笳というのは、ヒチリキの異名だそうですが、胡笳というのは、いかなる笛かよく知りませんが、蒼涼《そうりょう》たる原始的の響きがあるものとは想像されます――君聞かずや胡笳の声最も悲しきを、紫髯緑眼《しぜんりょくがん》の胡人吹く、これを吹いてなお未だ終らざるに、愁殺す楼蘭征戍《ろうらんせいじゅ》の児……」
と田山白雲が吟声に落ちて行くところは、御当人が茂太郎を笑いながら、御当人自身も、茂太郎にかぶれたところがあるようにも思われる。それを駒井が、どちらにも注意を払いながら、
「あなたは詩吟が上手ですね」
「上手といわれては恐縮しますが、口癖のようなもので、やっぱりでたらめです、でたらめとは言いながら、茂太郎に比べると、節調はまずいが、思想
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