来て、偶然に、駒井の眼に触れないとも限りますまい。
 しかし、この場の事実は、如上の進化論の途中に、突変説が起りました。
 話の進化に突変をまき起したのがすなわち金椎であります。それをまき起させた「種」は、清澄の茂太郎と、兵部の娘とであること勿論です。
 二人の者が行方不明《ゆくえふめい》になって、今以て帰らないということが、物に動ぜぬ金椎を、安からぬ色に導いているということによって、二人も、これは打捨てて置けないと立ち上りました。
「あの連中ときては、常軌《じょうき》にあてはまらないのだから始末にゆかぬ、即興的の感情を、即興的の行動に現わして、節制の術《すべ》を知らないんだからたまらない、全く眼がはなせたものではない」
と田山白雲が、柄《がら》になく嘆息しました。全く柄にないことで、そういえば御当人自身としても、御多分には洩れないところがあるはずです。
「怪我はあるまいけれども、放っても置けまい」
と駒井も、多少の不安を感じないわけにはゆかないらしい。ただいまの海竜といい、この辺の海の悪戯《いたずら》には、再再経験もあることだ。
 金椎《キンツイ》は同じような不安から、窓の外の海をし
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