……その原因はまだ研究中ですが、これらによって見ると、立派に人間が自然を征服し得ると言えるかも知れません」
「なるほど」
「その点において、日本は恵まれています、海に恵まれている点では、世界に、日本ほどの国はなかろう、と言ってもよいでしょう。今いう、その暖流と、寒流とが……国が充分に細長くて、四面がみな海ですから……そこに、二つの潮流がこう入り交っているから、魚類の豊富なことは無類です。たとえば鰊《にしん》、これは北のものです。鱈《たら》とか、鰊とかいうものは、欧羅巴《ヨーロッパ》でも北の方で捕れる魚ですが、それが日本では、この本州と、朝鮮にかけて、ちょうど、北緯三十六度あたりで捕れるようになっているのは寒流のためです。それから欧羅巴でも南欧のものとなっている鮪《まぐろ》が、日本の北海道の……蝦夷《えぞ》の東の海岸でとれるのは暖流のためです。そういうわけですから、日本の領海のうちで捕れる魚類は、二千種類もあって、その大半が食物とされているのに、西洋で食用につかう魚類といっては、三十種ぐらいなものでしょう。日本はこの海の富を、大いに利用しなければなりません」
「なるほど」
田山はしきり
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