も[#「いも」に傍点]を眺めていたのは、ジャガタラいも[#「いも」に傍点]そのものが珍しいのではなく、この辺では、まだこれを栽培していないはずなのに、こうも多数に海岸に散乱しているのはなにゆえだろう。
 駒井にとっては、それが合点《がてん》がゆかないので、同時に、これは難破船でもあったのではないか、という疑いも起り、難破船とすれば、それはこの近海に近づいた外国船であろうということまでが念頭にのぼってくるので、かなり遠くまで考えながら立っているのでありました。
 田山白雲は、そんなことは頓着なしに、ただ単純に、その根塊を珍しがって、
「ははあ、これが音に聞くジャガタラいも[#「いも」に傍点]ですか?」
「関東で清太いも[#「いも」に傍点]というのがこれです、ところによって甲州いも[#「いも」に傍点]だの、朝鮮いも[#「いも」に傍点]だのといって、上州あたりでもかなり作っているはずですが……」
「いや、拙者は、はじめてお目にかかりましたよ、うまいですか……?」
 田山白雲は、そのうまそうな一つをヒネクり廻すと、駒井が説明して、
「うまいというものじゃないが、滋養に富んでいて常食にもなります
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