を、気休めとして聞くほどに自分を知っている。
「ですから友さん、わたしはお前によく話をしたり、頼んだりしておきたいと思っているの……」
「うむ」
「友さん、お前はわたしを憎んでいるばかりでなく、駒井の殿様をもいつまでも憎んでおいでなのが、わたしは残念でたまらない」
「それは昔のことだ、今じゃあそんなことまで考えちゃあいねえよ」
「嘘です、友さんは憎みはじめたら、良い人でも、悪い人でも、終いまで憎んでしまうのですから、わたしは悲しい。ですけれども今はそんな話はよしましょう、間《あい》の山《やま》にいた時のお友達の昔に返って、友さんにわたしはお頼みしておきたいことがあるのよ……」
 お君は、やっとこれだけのことをいうと、すっかり疲れてしまって、咽喉《のど》もかわくし、唇の色まで変っています。
「お君さん、お薬を上げましょうか」
「どうも済みません」
 お松の手で咽喉をしめしてもらったお君は、再び言葉をつぐ元気がないと見えて、目をつぶったままで微かに呼吸《いき》を引いています。
 二人も、その安静を妨げない方がよいと思って、黙って、お君の寝顔をながめているだけです。
「友さん……」
 暫くし
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