を、お雪は重そうに両手で抱え上げて、庭を廻って見ると、縁側の日当りのよいところに、弁信と茂太郎とが栗を数えて話をしています。
「弁信さん」
 お雪が呼ぶと、
「はい」
「茂ちゃんもごらんなさい、こんなに卒都婆が斬れていましたよ」
「ええ」
 二人はいい合わせたように栗を数えた手を休めると、お雪は卒都婆を縁の上へ置いて、
「誰が悪戯をしたんでしょう」
といって、茂太郎の面を見ると、
「あたいは知らないや」
 茂太郎がいいわけをする。お雪は、深く咎《とが》めようともしないが、それでも、茂太郎の外に、こんな悪戯《いたずら》をする者はないような面《かお》をしたのが気になると見えて、茂太郎はムキになって何かいおうとしたが、弁信が急にそれを遮《さえぎ》るように、
「雪ちゃん、御覧なさい、私の法衣《ころも》もこの通りに切れていますよ」
「ええ?」
「その卒都婆と同じように、斜《はす》に切れているでしょう」
「まあ、どうしたのです、わたしが縫って上げましょう」
 お雪が改めて見直すと、なるほど、弁信の麻の法衣の左の肩から袈裟《けさ》をかけたと同じように、一筋の切れ目が糸を引いています。
「法衣だけじゃ
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