の伝通院までは、なかなかの道のりだ、もう少し乗っておいでなさい、伝通院の御門前までは、ぜひぜひ送って上げますからね」
馬側から、またこう言って叫ぶ者がありました。
「いいえ、もうここでよろしいのです、ここが小塚原とお聞き申してみますと、わたくしはここを乗打ちができないわけがあるんでございます。もし、もうこの辺がお仕置場でございましょう、わたくしはここで、お地蔵様へお礼をして通らなければならないわけがあるんでございます」
小坊主は、誰がなんと言っても、ここで下りようとしました。
やがて、その大きな笈《おい》を背負った小坊主が、馬の背から下りて、小塚原のお仕置場の高さ八尺の石の地蔵尊の前へ、ようよう這《は》いついた時に、それを見た宇治山田の米友が、
「ありゃあ、清澄から来た弁信だ」
疲れきっているくせに重たそうな笈を背負った弁信は、ようように地蔵尊の前へのたりつくと、そのところへ平伏してしまいました。むしろ、その重い笈のために、つぶされてしまったようです。
それを見た群集は、あわてて弁信を引起して、またも馬上へ運ぼうとしますと、弁信は力なき声をふり上げて、
「どうぞ、もうお赦《ゆ
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