か》きのせられて、それを取捲く群集が、山車《だし》の人形のように守り立てて、山の上まで持って行こうという勢いですから、小坊主は騎虎の勢いで下りるにも下りられず、言いわけをしても、この騒ぎで聞き入れられず、ぜひなく多数に擁《よう》せられて、行くところまで行こうという気になっているもののようです。
 周囲の人々が熱しきって、気狂《きちが》いじみているにかかわらず、この小坊主だけが、泣くにも泣かれない面色《かおいろ》を遠くから見ると、ちょうど、ところが千住の小塚原であるだけに、さながら屠所《としょ》の歩みのような小坊主の気色《けしき》を見ると、いかにも物哀れで、群集の熱狂がこれから何をやり出すのだか、心配に堪えられないことどもです。
「皆さん、ここはどこでございます、もうこの辺でおろして下さいまし」
 馬上の小坊主は、泣くが如く、訴うるが如く、こう言いますと、
「ここは、まだ江戸のとっつき、千住の小塚原だよ」
と馬側《うまわき》から答える者がありました。
「ええ、小塚原ですって? あ、そんなら皆さん、ここでおろして下さいまし」
 馬上の小坊主は声を振絞《ふりしぼ》りました。
「まだまだ小石川
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