《ひとくち》乗せて下さいというのであります。その面白い仕事というのは、南条力からそそのかされた一件であることを、その連中はよく承知の上で、こういうことを言いかけるものだということがよくわかります。同時にこの連中をつっついて、こんな悪戯《いたずら》をさせたのはほかでもない、南条力のいたずらであることがよくわかります。
そこでがんりき[#「がんりき」に傍点]は、南条の人の悪いのに苦笑いをしていると、取巻いて来た連中の口説《くど》き立てることが、いよいようるさいので閉口です。
「クドいやい、この胡麻《ごま》の蠅《はい》め」
がんりき[#「がんりき」に傍点]は、この連中を振切って通り過ぎようとすると、その袖に縋《すが》って、
「御免なさんせ、御賢察の通りしが[#「しが」に傍点]なき者でござんす、後日にお見知り置かれ、行末万端ごじゅっこんに願います、このたびは親分様のお引立てにより、江戸表へお召連れ下さんして……」
追いかけて来るのだから、どうにも困ったものです。
「わかった、わかった、お前たちは、いやに切口上で遊び人づきあいをしたがるけれど、あとの半分が物になっちゃいねえ、誰かに教えられ
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