で命を落すものでございません、みんな寿命でございます、前世の宿業《しゅくごう》というものでございます。それでございますから世間に、お医者さんを信用し過ぎるものは、まるきりお医者さんを信用しないものと同じことに、間違っているのでございます。また、うちの先生は薬礼を十八文ずつときめてお置きになります、これが、ケチのようですけれども、できないことでございます。もともとお医者さんという商売は、そんなにお金の出来る商売ではございません、お医者さんで、一代のうちに百万円ものお金をこしらえたりすると、その子供に良いのが出来ません、お医者さんや坊主というものは、人の命を扱うものでございますから、できるだけ綺麗《きれい》に致していなければ、人の思いというものがたか[#「たか」に傍点]るのでございます。こんなことを申し上げると、迷信だなんぞとお笑いになるかも知れませんが、それが本当のところでございます。ただ、うちの先生に惜しいことは、お酒を召上ることでございます、梵網経《ぼんもうきょう》の中にも飲酒戒《おんじゅかい》第二とございまして、酒は過失を生ずること無量なり、もし自身の手より酒の器を過ごして、人に与
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