に、また笑止千万な面《かお》をしてながめています。

         七

「左様でございますね、何ともおっしゃっておいでにはなりませんが、多分、本所の相生町の方へおいでになったものと心得ておりまする。実は私もこの間、こちらへ御厄介になりました居候《いそうろう》でございまして、まだ、先生の御気象もよく呑込んでいるわけではございませんが、うちの先生は、なかなかちょく[#「ちょく」に傍点]なお方でございまして、あれでまた、なかなか物に憐れみがございます。わたくしと、もう一人の茂太郎というのが居候をしているのでございますが、まあ命の親と言ってもよろしいのでございます。始終、お酒を飲んで冗談ばかり言っておいでになりますけれども、お医者の方はたしかにお上手でございます、癒《なお》るものは癒る、癒らないものは癒らないと、ハッキリおっしゃるのが何よりの証拠でございます。人間業で癒るものと、神仏の御力でなければ、どうにもならないものとの区別を先生は、あれでちゃんと心得ておいでになるところがエライものと、わたくしは感心を致しておりますのでございます。本当のことを申しますと、人間というものは、決して病気
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