ほど、そいつは近ごろ面白い見付物《みつけもの》でございます、まかりまちがっても嚇《おどか》しで済む、うまくゆけば金脈に掘り当てる、転んでも大した怪我はなかりそうなのに、儲《もう》かれば大山だ。よろしゅうございます、それだけの絵図面で、造作《ぞうさく》と建具の細かいところは、しかるべき相棒《あいぼう》を見つけて俺共《わっしども》の方で万事気をつけることに致しまして、早速、仕組みにかかることに致しましょう」
「うまくやってくれ。それで権六、これが身共の徳川への奉公納めだ」
「奉公納めとおっしゃるのは?」
「もう徳川も下火だ、我々も、いつまでこうしていられるかわかったものじゃない、この狂言が済めば、それを持って侍をやめる」
「なるほど」
「貴様にも一生食えるようにしてやった上、うまい酒も少しずつは飲めるようにしてやるつもりだ」
「それは何より有難うございます、そのつもりで端敵《はがたき》を勤めて御覧に入れましょう。なあに、こういうことを時々おやりになるのがかえって田舎者のためになるので、天下の通用物を、穴の中へ蔵《かく》しておくなんぞというのが心得違いでございますから、とっちめてやるのがお役
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