こなす仕組みがあるのだ」
「へえ、それは耳寄りでございますねえ」
権六は主膳の近くへ膝行《にじ》り寄る。そうすると主膳の声がいっそう低くなって、権六のほかは何人《なんぴと》にも聞き取れない声で、
「実はな、御支配の下で、ずうっとこの白根《しらね》の奥に奈良田というところがある、そこに望月という郷士の家がある、これは徳川家以前の旧家で、天文永禄《てんぶんえいろく》あたりから知られている家柄だ、そこの家でいま婚礼がある、この東の八幡村というところから嫁が行ったそのお届があったから、拙者は何心なくその家のことを聞いてみるとな、望月というのは甲州金の金掘《かねほ》りをする総元締《そうもとじめ》を代々預かっていて、表面に現われた財産も少ないものではないが、先祖以来、穴倉《あなぐら》に隠して置く金の塊《かたまり》は莫大《ばくだい》なものだという噂《うわさ》」
神尾主膳は結局、その金の塊を突き留めてみたらば、思いのほかの掘出し物があるかも知れないということ、それはちょうど今度の婚礼問題がよい機会であって、役目を笠にいくらでもその高圧の手段はあるようなことを言います。
聞き終った権六は、
「なる
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