当がつくだろう。芹沢が殺されると、近藤が新たに新撰隊というのを組織してその隊長になって、土方が副将でそれを助けることになった」
「うむなるほど、いやあれは、どちらかそうなるだろうと思うた」
「それから次が四条小橋、池田屋騒動の一件だ。血の雨を降らしたこと降らしたこと、貴殿もいたら、みっちり働き甲斐のある仕事であったわい」
「浪人を斬ったのか」
「斬った斬った、今でも池田屋へ行って見ろ、天井も壁も槍の穴でブスブス、血と肉が、あっちこっちにべたべたと密着《くっつ》いているわい」
「そうか」
「それにまた一方では、拙者の郷里水戸の地方に筑波山《つくばさん》の騒ぎが起ってな」
「筑波山の騒ぎとは?」
「それも知らないのか。水戸の家老武田耕雲斎が、天狗党というのを率いて乱を起した、それやこれやで拙者は関東と京都の間を飛び廻っている、ことに甲州の山の中にめざす者があって、ここへ来たわけじゃ」
竜之助に向ってこういう話をする男、これは新撰組の一人で山崎|譲《ゆずる》という男、かつて竜之助が逢坂山《おうさかやま》で田中新兵衛と果し合いをした時に、香取流《かとりりゅう》の棒を振《ふる》って仲裁に入った
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