Galilei)の力学観であったが、ホッブズの唯物論は、恰もこの力学的見地によって支えられている。それが機械論的唯物論の形を取らねばならなかった所以である。
ホッブズを以て代表者とする十七世紀のイングランドの唯物論は、やがて大陸に移って、十八世紀のフランス唯物論となる。茲では唯物論が生理学的根拠によって支えられる。ラ・メトリー(J. O. La Mettrie)やエルヴェシウス等が之を代表する。精神作用は感覚を以て始まるが、この感覚は全く物質的機能に外ならない。感覚は脳中に分泌作用を引きおこし、この分泌作用がとりも直さず意識なのであると考える。この云わば生理学的唯物論は十九世紀のドイツに這入って最も徹底した形を取った。之を代表するものはフォークト(K. Vogt)である。彼に従えば精神は全然脳髄なる物質の所産である。恰も肝臓から胆汁が分泌され、腎臓から尿が分泌されるように、脳髄から分泌されるものが精神作用に外ならないと云うのである。モレスコット(J. Moleschott―オランダ人)も亦この派の代表者の一人であるが、モレスコットは更にこの唯物論に化学的根拠を提供して、意識は脳皮質
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