llt von einem Handarbeiter. Eine abermalige Kritik der reinen und praktischen Vernunft, 1869―山川均訳、弁証法的唯物観)を書く。これは絶筆たる『哲学の実果』(Das Akquisit der Philosophie, 1887―山川均訳、哲学の実果)とともに、彼の哲学の基礎的叙述であり、ヘーゲルおよびヘーゲル以後の弁証法、唯物論的弁証法、唯物史観、階級闘争等の基礎的検討と解明とである。人間の精神に真に固有な思惟方法は、感性的事物に即したそれであり、即ち経験的な帰納的な夫れである。それが事物の連関と交互関係との理論としての弁証法に外ならぬ。思惟を存在から絶対的に引き離して了えば、カントの物自体という如きものも生じて来るが、之は同語反覆に外ならない先天主義の結果にすぎない。論理学は形而上学の領域を去って自然科学の領域に移されねばならない、と。エンゲルスの云うように、マルクス、エンゲルスやヘーゲルからさえ独立に、この独逸の一労働者は弁証法を再発見したのである。尤も、彼の弁証法には多分にシェリング風の
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