サする)によって、却って矛盾に充ちた常識的信念に特有な非科学を意味するものとして斥けられた。プラトンがまず掲げた弁証法に、或る意味でその裏面から近づいたのは、プラトン主義者であるカントであった。
カントがその認識論の構造の示唆を受けたものは、彼がアンティノミー(二律背反)と呼ぶ一つの論理学的現象であった。宇宙の無限や最後の単位部分や其他に就いては、人間の悟性乃至理性は、全く同一の確実さを以て、全く相容れない肯定判断と否定判断とを、同時に下すことが出来る。この特有な矛盾が二律背反である。カントによれば、之は理性が経験乃至感性的直観との協定を必要とするという認識手続の上の約束を無視するから起るので、この約束を守る以上、元来今云ったような宇宙論的な観念は抑《そも》々認識なるものの内容となり得るものではない、そういう意味に於てこうした宇宙論的諸観念はイデーに他ならない、という。――処が悟性乃至理性のこの不当な使用法から生じる幾多の論理的矛盾を、検討し、之から免れるには理性乃至悟性を如何に適切に使用すべきであるかを研究するのが、カントの謂う処の、ディアレク、ティックなのである。
でつまりカン
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