ニいう観念が単なる労働手段の総体以上に何かをプラスしたものならば、そのプラスの秘密はつまり技術という観念そのものの秘密に他ならぬ。この問題の解決は今その処ではないが、仮に技術という観念自身が問題を含むとすれば、「社会の技術的基礎」でも、又は「社会の技術水準」でも、今の場合の役に立つ。とにかくこうした技術的なものが、自然科学の社会的基礎をなしているのである。技術学的知識や技術学的技能は、云うまでもなく自然科学と夫のこの社会的基礎とのつながりが具体化され主体化されたものに他ならぬ。
 処が生産技術なるものは、社会機構に於て、一般的に、根本的な役割を占めている処のものの一つである。なぜと云うに、この技術的基礎と、更に人的・社会的・政治的・結合をなす労働力とは、生産力の二つの内容であり、社会の生産関係を決定する物質的内容だからである。そして労働力が人的な主体的な要因であるに反して技術的基礎の方は物的な客体的な要因であることは明らかだから、労働力に較べて技術的基礎の方が唯物論的に根本性を有っているということも明らかだろう。で、この点だけを取れば、社会の歴史的発達を技術(機械其他)の発達に帰着させ
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