#「妥当」に傍点]でもなく況して構成的概念[#「概念」に傍点]でもないことは茲に於て明らかとなった*。
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* 空間を論理的[#「論理的」に傍点]範疇として理解することが不可能であることは、之によって証明されることが出来る。もし一般に範疇を何かの意味に於て条件――カントに於てのように――と考えるならば。
[#ここで字下げ終わり]

 空間は対象論的なるもの[#「対象論的なるもの」に傍点]であると想像され易いように思われる。それは一応、対象論的意味に於ける対象[#「対象」に傍点]であるように見えるであろう。処でマイノングの対象とは何であるか。「凡ゆる対象そのもの」「対象それ自身」に於ては「本質的には存在も非存在も認めることが出来ない*」。「対象はその性質から云って存在外である」――「純粋対象存在外の命題**」。もしかかる対象がそれにも拘らず或る意味に於ける存在を持つとすれば、その存在は Sosein と呼ばれるべきである。「対象にとって決して外的ではなく寧ろ対象の真の本質を形成する処のものは、対象の Sosein に於て成立する」のである**。かく
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