て対象はマイノングによればかかる Sosein――それは「存在[#「存在」に傍点]」と「状態」とに対しては「可能性[#「可能性」に傍点]」と呼ばれる***――として性格づけられる。処が吾々の空間概念は存在性[#「存在性」に傍点]を有たねばならなかった。それ故空間は対象論的「対象」であり得ないことを最も著しい特色とさえしなければならない、ということになる。尤もこう考えられるであろう、かかる「可能性」は、ただ「凡ゆる[#「凡ゆる」に傍点]対象そのもの[#「そのもの」に傍点]」、「対象それ自身[#「それ自身」に傍点]」として理解される限りの対象一般[#「一般」に傍点]の性格であって、その内の特殊の[#「特殊の」に傍点]対象が、例えば存在を有つことを、それは妨げるものではない、と。けれども、もし仮にそうとすれば、或る対象は対象一般としては可能性の性格を有ち、その特殊の対象としては存在の性格を有つことになるのでなければならない。処が、特殊なるものが一般的なるものに含まれる――それに還元[#「還元」に傍点]される――からと云って、特殊なるものの性格は一般的なるものの性格によって優越されることは出来
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