と」、普通性、でないことを後に述べる)。
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* 吾々は術語としての概念[#「概念」に傍点]を術語としての表象[#「表象」に傍点]及び観念[#「観念」に傍点]から区別する。日常語として三者は相似た意味を有つかも知れない、併し吾々の出発は術語としての概念であるからこの区別は最も必要である。但しこの区別を改めて述べる余地はないと思う。
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 概念は根本的に異った二つの種類を有つ。その一つは構成的概念[#「構成的概念」に傍点]である。論理学及び数学は或る論理的なる要素[#「論理的なる要素」に傍点]によって論理的に構成[#「論理的に構成」に傍点]された体系である。というのは例えば斉しく理論的であっても、物理学は決して論理的なる要素[#「要素」に傍点]の体系ではない(尤も特殊の哲学的立場――汎論理主義のような――に立つ時は論外である)。仮にマッハをして云わしめれば、感覚的要素――この要素自身はどのような意味に於ても論理的要素ではない――の体系こそ夫である。之に反して先ず数学は論理的要素(例えば集合論に於ける要素の如き)に基いて論理的
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