に構成される。かくて矛盾律の整合――之はとりも直さず論理的構成[#「論理的構成」に傍点]を云い表わす――だけを体系の基準とする公理主義は、ただ数学のような論理的要素[#「論理的要素」に傍点]の構成体系に於てのみ、初めて発生することが出来るのである。かくて数学は論理的要素から論理的に構成される。そしてこのことは又形式論理学に就いても同じであるであろう。論理はこの場合、この意味に於て構成性[#「構成性」に傍点]を有つ。かく構成性を有つが故に、例えば実在から独立した論理自身の領野というものも成立することが出来る。処が又一方形式論理学及び数学は独特の意味に於ける概念[#「概念」に傍点]の体系である。故にこの場合の概念は構成性を有つことが必然となる。既に挙げた群・環などは云うまでもなく、数又は点・線などに至るまで、近世の数学者が指摘するのを怠らない通り、数学の対象は何れも終局は「定義され得ない物」に基くのであるが、之は却って数学的概念が論理自身の独立の領野に於て構成され又は論理的要素として之を構成する処の、その構成性を告げているに外ならない。形式論理学に於ける概念は又、実在乃至存在から、或いは知
前へ
次へ
全124ページ中11ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング