atz)、方位(Gegend)、距り(Entfernung)、方向(Ausrichtung)など――によって説明[#「説明」に傍点]しようと試みる。併しかく説明し得る[#「得る」に傍点]ということがすでに空間概念を理解していることであるのを正確に注意したのである。吾々はこれとは反対の道を択ぶことを約束した。吾々は何の体系も構成しない、従って吾々は何の説明[#「説明」に傍点]を与えることも出来ない、ただ分析し得るだけである。而もこの分析によって既知なるものから未知なるものが、又は未知なるものから既知なるものが出て来る[#「出て来る」に傍点]のではない――吾々は演繹することは出来ない、ただ既知なるものが愈々確保されて行くというまでである。
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* 概念に於ては名辞[#「名辞」に傍点]と事態[#「事態」に傍点]とが対立する。そしてこの両者に対立するものは性格[#「性格」に傍点]である。机という名前と机という物質と、及びこの物質をこの名を以て呼ばしめる性格と。
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 常識的空間概念の有つ存在性の事態の分析。
 場処[#「場処」に傍
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