握」に傍点])と共に初めて語られることが出来る。かかる概念(把握的概念)は性格[#「性格」に傍点]を概念し動機[#「動機」に傍点]を有つ。概念の分析[#「概念の分析」に傍点]は概念自身を源泉[#「源泉」に傍点]として行なわれなければならない。即ち概念は、その性格と動機とに従って又それに於て、分析される。何となれば概念は歴史社会的制約[#「歴史社会的制約」に傍点]を以て存在[#「存在」に傍点]するから。併し概念は決して事実としては与えられていない、それは発見[#「発見」に傍点]されなければならない。分析は常識的概念の分析から出発すべきである。何となればそれは歴史社会的制約に於てより根柢的な基礎概念[#「基礎概念」に傍点]であるから。――さて吾々の問題、それは空間概念の分析[#「空間概念の分析」に傍点]の問題であった、を正当に提出し得るためには、以上のような準備をしておくことが是非とも必要であったと思う。併し今迄に触れるべき点に残らず触れたとは思わない、無意識に看過した点もあろうし、又故意に省いて後の機会に譲った点もある。このような点は実際に問題を取り扱うに当って、必要な限りその折々に分析
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