発見されるべきものであった、日常性は其処に成り立つ。
さて常識的概念は専門的概念に較べて、その歴史社会的成立に於て(性格と動機とに於て)、より根柢的でなければならない。勿論専門的概念は或る事物を把握する点に於ては常識的概念よりも根柢的であるに違いない。もしそうでなければ専門的概念としての資格を欠くであろう。併しそれは歴史社会的成立に於て根柢的であることとは別である。成立[#「成立」に傍点]に於ては常識的概念はより根柢的でなければならない。専門的概念は常識的概念の地盤から派生する[#「専門的概念は常識的概念の地盤から派生する」に傍点]。処で吾々は常識的概念だけを独立に分析することが出来る。であるからまず常識的概念の分析を独立に行なった上で、それに基いて夫に対応する専門的概念の分析を行なうことが、概念の性格と動機とに忠実な分析の手続きの順序でなければならない。この意味に於て常識的概念は常に基礎概念[#「基礎概念」に傍点]であり、専門的概念は常に上層概念[#「上層概念」に傍点]である。
最後に此迄の結論を繰り返えそう。概念[#「概念」に傍点]は常に理解[#「理解」に傍点](把握[#「把
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