て性格に於て[#「性格に於て」に傍点](故に又動機に於て)、一言にして云えば概念自身に於て[#「概念自身に於て」に傍点]、分析されねばならない。概念の分析とは之である。
 概念は、その性格は、歴史社会的存在を持つと云った。けれども、それは単なる事実としては与え[#「与え」に傍点]られていない。吾々はそれを発見[#「発見」に傍点]しなければならない筈であった。それ故吾々の分析は必ずしも ”streng“ であることは出来ないであろう。ディルタイの言葉を借りるならば、論証的[#「論証的」に傍点]ではなくして、それは divinatorisch であるとも云うべきである。併しながらこのことは概念の分析の学問性を奪うことは出来ない。何となれば、かかる場合に於て学問性を保証するものこそ、元来分析という概念ではないのか、――分析とは内容なき反覆ではなくして源泉からの分析であった。学問的とは方法的のことであり、方法的とは分析的のことである。そして分析的のみが理論的であり得る。

 概念が歴史社会的制約を持つと考えられる時、同一の概念が日常語として又専門語として理解されること――それを吾々は最初に主張
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