質概念と吾々の概念との区別を、吾々は後に至って見る機会があるであろう。
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* フッセルル、同上 S. 15.
** 同 S. 14. 参照。
*** Ehrlich, Kant und Husserl 参照。
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 概念を概念自身に於て分析する、概念自身をその分析の源泉とする、之は言葉の内容なき反覆ではない。すでに概念は動機を有った。そしてその動機は歴史社会的制約を有った。それ故概念は歴史社会的に存在[#「存在」に傍点]している――それは歴史社会的に成立した。そこで概念は自己の歴史社会的存在に於て、その成立の過程に於て、即ち動機に於て、分析されることが出来る。即ち又それは性格に於て分析される。概念の分析の源泉は再び性格[#「性格」に傍点]である。而もこの性格は歴史社会的制約を以て歴史社会的に存在していなければならない。故に分析はこのような存在[#「存在」に傍点]を源泉として行なわれるべきである。それ故今や吾々は云うことが出来る、概念は性格に従って[#「性格に従って」に傍点](故に又動機[#「動機」に傍点]に従って)、そし
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