はこのような性格を把握する**。
[#ここから2字下げ、折り返して3字下げ]
* 代表という概念は例えば抽象という概念と比較されるべきではない。後者は類・種の系列に関係する。処が前者は之とは無関係であった。
** 性格を理解し誤ること――誤解――の内、最も救い難く見えるものは見当違い[#「見当違い」に傍点]である。後に見当違いが吾々の問題――空間概念の分析――に於て、どのような役目を演ずるかを見るであろう。
[#ここで字下げ終わり]

 理解は某性格の理解であるから、その限り某理解はその某性格を有つという言葉が許される。従って又この意味に於て、某概念は某性格を有つと云う言葉も許される。併しもし、理解がその某性格を(模写説的譬喩を借りるならば)その儘[#「その儘」に傍点]受け容れるのでないならば、即ち理解が自己の何かの働きによってこの某性格を匡めて理解するのであったならば、それは理解ではなくして一つの人工的加工――説明[#「説明」に傍点]――に外ならないであろう。それは一種の誤解[#「誤解」に傍点]である。理解するに先立って性格が客観的に成立しているというような考え方を吾々は許さないが、
前へ 次へ
全124ページ中23ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング