の性格を理解することに外ならない。理解される限りの一切のものは性格を有つ。桜は桜として梅花は梅花として、花は花として葉は葉として、木は木として草は草として、植物は植物として動物は動物として、夫々の性格を有つ(普遍は普遍として個物は個物として夫々の性格を有つのであるから、性格は普通想像され易い処とは異って、類や種――それは術語としての概念と離すことは出来ない――とは無関係である。従ってその限りの個物・個体・個性とは関係がない)。性格とは第一にものの性質[#「性質」に傍点]である。尤も具体的なものは無限の性質を持っていると考えられる。そこで第二に、他の一切の諸性質を代表[#「代表」に傍点]する*処の性質、特徴[#「特徴」に傍点]、が性格である。けれども特徴は事情によっては複数であるであろう(例えば或る構成的概念が上概念と比較されるような事情の下には数多の徴表[#「徴表」に傍点]が指摘されるのを普通とする)。そこでこのような凡ての特徴を更に代表[#「代表」に傍点]する処の優越[#「優越」に傍点]した最勝義[#「最勝義」に傍点]par excellence な特徴、之を性格と呼ぶのである。理解
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