les de la me'thode sociologique, p. 154〕)。「同時的共変法」は「社会学的研究の優れたる道具である」(p. 162)。
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知識の歴史的規定という知識社会学的問題――イデオロギー論が之を代表する――からの逃避は併しながら、之に代わるべき新しい知識社会学を積極的に開拓して見せることによって、至極目立たないように行なわれることが出来る。デュルケムの知識社会学はかくて、社会学的認識論[#「社会学的認識論」に傍点]という形を取らねばならない。
カントの先験論的――論理学的――認識論は今や実証主義的――社会学的――認識論となる。範疇[#「範疇」に傍点]は先験的に演繹される代りに社会学的に実証される。元来、デュルケムによれば宗教は形而上学的な神学者や自然主義的な宗教学者達の考える処とは異って、社会的[#「社会的」に傍点]に発生した根本的な社会現象でなければならないのであるが*、認識は処で恰もこのような宗教意識によって限定され、そうすることによって初めて認識の形態を取ることが出来る、ということが証明される。で論理の範疇は全く、宗教的社会生活の現実的な諸関係から導き出されたものに外ならない。人間的思惟の内部的な構造は人間の実際的な社会生活――それが原始的には宗教的なのであるが――によって組み立てられ、そこから人間的思惟の発展が始まるのである、と説かれる。空間や時間も、夫々「社会的空間」と「社会的時間」とに基くのだ、というのである。
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* デュルケムはその社会学主義から云って、宗教が超社会的な起源を有つものではないことを、宗教こそが社会的所産であることを、証明しようと企てる(〔Les formes e'le'mentaires de la vie religieuse〕)。恐らく彼は之によって、社会が例えば経済的(又は政治的)に決定されるのではなくて却って宗教的に決定されるものだ、ということを云おうと企てているのではないだろう。処が例えば 〔C. Bougle'〕 は之を史的唯物論の反証として採用する。実は史的唯物論の準備としてこそ之は利用されるべきだと吾々は考える(引用の階級性の一例)。
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社会はもはや、単に何かの理論や科学を外部から制約するだけではない、それは理論や科学の核心にまで、論理[#「論理」に傍点]の構成要素(範疇・概念)にまで、突き進む。かくて、論理[#「論理」に傍点]が社会的[#「社会的」に傍点]に説明しつくされるかのようである。――だがこの論理はまだ本来の論理ではなく、この社会はまだ本当の社会ではない。何故か。
範疇乃至概念は、それ自身に於ては真理[#「真理」に傍点]でもなく虚偽[#「虚偽」に傍点]でもない、形式論理学に於ても真偽は判断まで来て初めて問題となる。範疇や概念自身は論理的に無記であることを一応人々は承認すべきだ。そうすれば範疇乃至概念は、確かに論理の要素であるにも拘らずそれ自身では論理的[#「論理的」に傍点]ではない、蓋し論理は価値に関わる、その価値が真理と虚偽とであった。であるから、範疇が社会的に決定されると云っただけでは、又は、それを基礎にして多少の展開を与えたとしてもそれだけでは、まだ本来の「論理[#「論理」に傍点]」が「社会[#「社会」に傍点]」的に決定されるということにはならないわけである。併し、もっと悪いことには、この「社会」すらがまだ社会ではない。なぜなら、社会の実質は歴史[#「歴史」に傍点]にあった筈だが、今は恰もこの歴史が結局、原理としては排斥されていた、優れた歴史的原理としての段階性は不問に付せられていた、からである。――人々は茲でも亦見るべきである、歴史的原理の不足は論理[#「論理」に傍点]の問題の不足を意味することを。
単なる論理は真理と虚偽との論理的価値対立にまで、そして単なる社会は歴史的社会階級対立にまで、掘り下げられねばならない。それは論理及び社会という概念から云って已むを得ないことなのである。そうしなければ知識社会学の中核的な課題は掴めないのである。社会学的認識論は半途の知識社会学でしかない*。実際、そのことは、社会学的認識論のイデオロギー論からの逃避となって現われた。
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* デュルケムのテーマを広範に展開したものとして少くとも 〔Le'vy Bruhl〕 の名を挙げておくべきである(〔Les fonctions mentales dans les socie'te's infe'rieures〕 及び 〔La mentalite' primitive〕 其他を見よ)。
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デュルケムの実証
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