る品々を腕もたわわにささげ来つ。
「お客様の――」と座の中央《もなか》に差し出《いだ》して、罷《まか》りぬ。
じろり一瞥《いちべつ》を台の上の物にくれて、やや満足の笑《え》みは未亡人の顔にあらわれたり。
「これはいろいろ気の毒でごあんすの、ほほほほ」
「いえ、どうつかまつりまして。ついほンの、その――いや、申しおくれましたが、武――若旦那様も大尉に御昇進遊ばして、御勲章や御賜金がございましたそうで、実は先日新聞で拝見いたしまして――おめでとうございました。で、ただ今はどちら――佐世保においででございましょうか」
「武でごあんすか。武は昨日《きのう》帰って来申《きも》した」
「へエ、昨日? 昨日お帰りで? へエ、それはそれは、それはよくこそ、お変わりもございませんで?」
「相変わらず坊っちゃまで困いますよ。ほほほほ、今日《きょう》は朝から出て、まだ帰いません」
「へエ、それは。まずお帰りで御安心でございます。いや御安心と申しますと、片岡様でも誠に早お気の毒でございました。たしかもう百か日もお過ぎなさいましたそうで――しかしあの御病気ばかりはどうもいたし方のないもので、御隠
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