不如帰《ほととぎす》 小説
徳冨蘆花
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)不如帰《ほととぎす》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)一輪|勁《つよ》きを
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、底本のページと行数)
(例)合※[#「※」は「丞」の「一」のかわりに「巳」、第4水準2−3−54、13−11]《ごうきん》
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第百版不如帰の巻首に
不如帰《ふじょき》が百版になるので、校正かたがた久しぶりに読んで見た。お坊っちゃん小説である。単純な説話で置いたらまだしも、無理に場面をにぎわすためかき集めた千々石《ちぢわ》山木《やまき》の安っぽい芝居《しばい》がかりやら、小川《おがわ》某女の蛇足《だそく》やら、あらをいったら限りがない。百版という呼び声に対してももっとどうにかしたい気もする。しかし今さら書き直すのも面倒だし、とうとうほンの校正だけにした。
十年ぶりに読んでいるうちに端《はし》なく思い起こした事がある。それはこの小説の胚胎《はいたい》せられた一|夕《せき》の事。もう十二年|前《ぜん
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