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 この事いずれよりか伝わりて、浪子に達せし時、幾は限りなくよろこびて、
 「ごらん遊ばせ。どうしても御縁が尽きぬのでございますよ。精出して御養生遊ばせ。ねエ、精出して養生いたしましょうねエ」
 浪子はさびしく打ちほほえみぬ。

    七の一

 戦争のうちに、年は暮れ、かつ明けて、明治二十八年となりぬ。
 一月より二月にかけて威海衛落ち、北洋艦隊|亡《ほろ》び、三月末には南の方《かた》澎湖《ぼうこ》列島すでにわが有に帰し、北の方《かた》にはわが大軍|潮《うしお》のごとく進みて、遼河《りょうが》以東に隻騎の敵を見ず。ついで講和使来たり、四月中旬には平和条約締結の報あまねく伝わり、三国干渉のうわさについで、遼東還付の事あり。同五月末大元帥陛下|凱旋《がいせん》したまいて、戦争はさながら大鵬《たいほう》の翼を収むるごとく※[#「※」は「條の左+灸」、第4水準2−1−57、202−6]然《しゅくぜん》としてやみぬ。
 旅順に千々岩の骨を収め、片岡中将の危厄を救いし後、武男は威海衛の攻撃に従い、また遠く南の方《かた》澎湖島占領の事に従いしが、六月初旬その乗艦のひとまず横須賀に凱旋す
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