っぜ?」母はやや声高《こわだか》になりぬ。
「母《おっか》さん、今そんな事をしたら、浪は死にます!」
「そいは死ぬかもしれン、じゃが、武どん、わたしは卿《おまえ》の命が惜しい、川島家が惜しいのじゃ!」
「母《おっか》さん、そうわたしを大事になさるなら、どうかわたしの心をくんでください。こんな事を言うのは異なようですが、実際わたしにはそんな事はどうしてもできないです。まだ慣れないものですから、それはいろいろ届かぬ所はあるですが、しかし母《おっか》さんを大事にして、私《わたくし》にもよくしてくれる、実に罪も何もないあれを病気したからッて離別するなんぞ、どうしても私《わたくし》はできないです。肺病だッてなおらん事はありますまい、現になおりかけとるです。もしまたなおらずに、どうしても死ぬなら、母《おっか》さん、どうか私《わたくし》の妻《さい》で死なしてください。病気が危険なら往来も絶つです、用心もするです。それは母《おっか》さんの御安心なさるようにするです。でも離別だけはどうあッても私《わたくし》はできないです!」
「へへへへ、武男、卿《おまえ》は浪の事ばッかいいうがの、自分は死んでも
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