分《ぶ》
旭川七十二哩三分
札幌百五十八哩六分
函館三百三十七哩五分
室蘭二百二十哩
[#ここで字下げ終わり]
三千|呎《フィート》の隧道《とんねる》を、汽車は石狩から入って十勝へ出た。此れからは千何百呎の下りである。最初蝦夷松椴松の翠《みどり》に秀《ひい》であるいは白く立枯《たちか》るゝ峰を過ぎて、障るものなき辺《あたり》へ来ると、軸物の大俯瞰図のする/\と解けて落ちる様に、眼は今汽車の下りつゝある霜枯《しもがれ》の萱山《かややま》から、青々とした裾野につゞく十勝の大平野を何処までもずうと走って、地と空《そら》と融《と》け合う辺《あたり》にとまった。其処《そこ》に北太平洋が潜《ひそ》んで居るのである。多くの頭が窓から出て眺める。汽車は尾花《おばな》の白く光る山腹を、波状を描《か》いて蛇の様にのたくる。北東の方には、石狩、十勝、釧路、北見の境上《きょうじょう》に蟠《わだかま》る連嶺《れんれい》が青く見えて来た。南の方には、日高境の青い高山《こうざん》が見える。汽車は此等の山を右の窓から左の窓へと幾回か転換して、到頭平野に下りて了うた。
当分は※[#「木+解」、第3水準1−86−22
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