ったあとの楓《かえで》の枝《えだ》に、鷦鷯《みそさざい》がとまる。静かにさす午後の日に白く光《ひか》って小虫《こむし》が飛ぶ。蜘糸《くものい》の断片が日光の道を見せて閃《ひら》めく。甲州の山は小春《こはる》の空《そら》にうっとりと霞《かす》んで居る。
落ちついて、はっきりして、寂しい中に暖か味《み》があって、温《あたた》かい中に寂し味があって、十二月は本当に好い月である。
日曜だが、来客もなくて静《しずか》なことだ。主と妻と女児と、日あたりの好《い》い母屋《おもや》の南縁《なんえん》で、日なたぼっこをして遊ぶ。白茶《しらちゃ》天鵞絨《びろうど》の様に光る芝生《しばふ》では、犬のデカとピンと其子のタロウ、カメが遊んで居る。大きなデカ爺《おやじ》が、自分の頭程《あたまほど》もない先月生れの小犬の蚤《のみ》を噛《か》んでやったり、小犬が母の頸輪《くびわ》を啣《くわ》えて引張ったり、犬と猫と仲悪《なかわる》の譬《たとえ》にもするにデカと猫のトラと鼻《はな》突《つき》合わして互《たがい》に疑《うたが》いもせず、皆悠々と小春の恩光《おんこう》の下《もと》に遊んで居る。「小春」とか「和楽《わらく
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