い男が六人、歌につれて神前に踊りはじめた。一進一退、裏《うら》むき表《おもて》むき、立ったり蹲《しゃが》んだり、黒紋付の袖からぬっと出た逞《たく》ましい両の手を合掌《がっしょう》したりほどいたり、真面目に踊って居る。無骨《ぶこつ》で中々|愛嬌《あいきょう》がある。「畚《もっこ》かついでひのきしん」と云う歌のところでは、六人ながら新しい畚を担《にな》って踊った。
 鳴物は単調に鳴る。歌は単調につゞく。踊は相も変らぬ手振がつゞく。余は多少あき気味であたりを眺《なが》める。皆近辺の人達で、多少の識った顔もある。皆|嬉々《きき》として眺めて聴いて居る。

           *

 天理教祖は実に偉い婆さんであった。其広大な慈悲心は生きて働き、死んでます/\働き、老骨《ろうこつ》地に入ってこゝに数十年、其流れを汲《く》む人の数は実に夥《おびただ》しい数を以て数えられる。仮令《たとい》大和の本教会《ほんきょうかい》は立派な建築を興し、中学などを建て、小むずかしい天理教聖書を作り、已に組織病に罹《かか》ったとしても、婆さんから流れ出た活ける力はまだ/\盛に本当の信徒の間に働いて居る。信ずる者は幸
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