月二日)
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     天理教の祭

 おかず媼《ばあ》さんが、天理教会|秋祭《あきまつり》の案内に来た。
 紙の上の天理教《てんりきょう》は見て居るが、教会を覗《のぞ》いた事は未《ま》だ無い。好い機《おり》だ。往って見る。
 下足札《げそくふだ》を出して、百畳敷一ぱいの人である。正面には御簾《みす》を捲いて、鏡が飾ってある。太鼓《たいこ》、笙《しょう》、篳篥《ひちりき》、琴《こと》、琵琶《びわ》なんぞを擁したり、あるいは何ものをも持たぬ手を膝《ひざ》に組んだ白衣《びゃくい》の男女が、両辺に居流れて居る。其白衣の女の中には、おかず媼《ばあ》さんも見えた。米俵が十数|俵《ひょう》も神前に積《つ》まれて、奉納者《ほうのうしゃ》の名を書いた奉書紙《ほうしょがみ》が下げてある。
 やがて鳴物《なりもの》が鳴り出した。
 太鼓の白衣氏が撥《ばち》を握《にぎ》って単調な拍子《ひょうし》をとりつゝ
「ちょっとはなし、神の云うこと聞いてくれ」
と唱《とな》え出した。琴が鳴る。篳篥《ひちりき》が叫ぶ。琵琶が和《わ》する。
 黒紋付木綿の綿入に袴《はかま》を穿《は》いた倔強《くっきょう》な若
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