れば、住居は天幕《てんまく》でも済《す》む自由の身である。それでさえ塒《ねぐら》はなれた小鳥の悲哀《かなしみ》は、其時ヒシと身に浸《し》みた。土から生れて土を食《く》い土を耕《たがや》して終に土になる土の獣《けもの》の農が、土を奪われ土から追われた時の心は如何《どう》であろう!
品川堀が西へ曲る点《とこ》に来た。丸太を組んだ高櫓《たかやぐら》が畑中に突立って居る。上には紅白の幕を張って、回向院の太鼓櫓《たいこやぐら》を見るようだ。北表面《きたおもて》へ廻《まわ》ると、墨黒々と筆太《ふでぶと》に
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霊場敷地展望台
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と洋紙《ようし》に書いて張ったのが、少し破れて風にばた/\して居る。品川堀を渡って、展望台の方へ行くと、下の畑で鉢巻《はちまき》をした禿頭《はげ》の爺《じい》さんが堆肥《つくて》の桶《おけ》を担《かつ》いで、※[#「女+息」、第4水準2−5−70]《よめ》か娘か一人の女と若い男と三人して麦蒔《むぎまき》をして居る。爺さんは桶を下《お》ろし、鉢巻をとって、目礼《もくれい》した。此は昨夕村会議員の一人と訪ねて来た爺さんである。其宅地
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