喜三郎の名が見える。七蔵さんは此六日に亡《な》くなったのである。変った月番の名を見て、一寸《ちょっと》哀愁《あいしゅう》を覚えた。
二
七月二十二日。
土用三郎と云うに、昨日の夕立以来、今日も曇《くも》って涼しいことである。
白桔梗《しろききょう》、桔梗の花が五つ六つ。白っぽけた撫子《なでしこ》の花が二つ三つ。芝生《しばふ》の何処かで、※[#「虫+慈」、下巻−68−4]※[#二の字点、1−2−22]※[#二の字点、1−2−22]《じじじ》と虫が鳴いて居る。
寂《さび》しい。
見る/\小さな雨がほと/\落ちて来た。
寂しい。
[#ここから3字下げ]
夏さびし桔梗《きちかう》の花五つ六つ小雨《こさめ》まじりに虫の声して
[#ここで字下げ終わり]
三
七月三十日。
例《れい》によって芝苅り。終って、桃の木の下で水蜜桃《すいみつとう》の立喰《たちぐい》。
大きなプリマウス種の雄鶏《おんどり》が、鶏舎の外で死んで居た。羽毛が其処《そこ》此処《ここ》にちらかって居る。昨夜鶏舎の戸をしめる時|誤《あやま》って雄鶏をしめ出したので、夜中|鼬《いたち
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