んだ炭焼《すみやき》をする人そうな。やがて小さな流れに沿《そ》う熊笹葺《くまざさぶ》きの家に来た。炭焼君の家である。白樺《しらかば》の皮を壁《かべ》にした殖民地式の小屋だが、内は可なり濶《ひろ》くて、畳《たたみ》を敷き、奥に箪笥《たんす》柳行李《やなぎごうり》など列《なら》べてある。妻君《かみさん》も善《よ》い顔をして居る。囲炉裏側《いろりばた》に腰かけて渋茶《しぶちゃ》の馳走《ちそう》になって居ると、天幕から迎いの人夫が来た。
 茶を飲みながらふと見ると、壁の貼紙《はりがみ》に、彼岸会《ひがんえ》説教《せっきょう》、斗満寺《とまむじ》と書いてある。斗満寺! 此処《ここ》に其様《そん》なお寺があるのか。えゝありますと云う。折りからさきに馬に乗ってた子の弟が二人、本を抱《かか》えて其お寺から帰って来たので、早速案内を頼む。白樺の林の中を五六丁行くと、所謂《いわゆる》お寺に来た。此はまた思い切って小さな粗造《そぞう》な熊笹葺き、手際悪《てぎわわる》く張った壁の白樺|赤樺《あかかば》の皮は反《そ》っくりかえって居る。関翁を先頭《せんとう》にどや/\入ると、形《かた》ばかりの床《ゆか》に荒莚《
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