欧洲からはる/″\大西洋を越えて、亜米利加の新大陸に渡った清教徒の一群《いちぐん》ピルグリム、ファザァスが乗った小さな帆前船《ほまえせん》である。画は此船が任務を果してまた東へ帰り去る光景を描《えが》いた。海原の果には、最早《もう》小さく小さくなった船が、陸から吹く追手風《おいて》に帆を張って船脚《ふなあし》軽く東へ走って居る。短い草が生えて、岩石の処々に起伏した浜にはピルグリムの男女の人々が、彼処に五六人、此処に二三人、往く船を遙に見送って居る。前景《ぜんけい》に立つ若い一対《いっつい》の男女は、伝説のジョン、アルデン[#「ジョン、アルデン」に傍線]とメーリー、チルトン[#「メーリー、チルトン」に傍線]ででもあろうか。二人共まだ二十代の立派な若い同士。男は白い幅濶《はばひろ》の襟をつけた服を着て、ステッキをついた左の手に鍔広《つばひろ》のピュリタン帽を持つ右の手を重ね、女は雪白《せっぱく》のエプロンをかけて、半頭巾《ボンネット》を冠り、右の手は男の腕に縋《すが》り、半巾《はんかち》を持った左の手をわが胸に当てゝ居る。二人の眼はじっと遠ざかり行くメェフラワァ号の最後の影に注《そそ》がれ
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