に置いたのであった。其れを爺さんが苅ってやると云う。頭を掻いて断わると、親切を無にすると云わんばかり爺さんむっとして帰って往ったこともある。最早《もう》楢茸が出ても、味噌漉しかゝえて、「今日は」と来る腰の曲った人は無い。

       四

 燻炭《くんたん》肥料《ひりょう》と云う事が一時はやって、芥屑《ごみくず》を燻焼《くんしょう》する為に、大きな深い穴が此処其処に掘られた。其穴の傍で子を負った十歳の女児《むすめ》と六歳になる女児が遊んで居たが、誤って二人共穴に落ちた。出ることは出たが、六になる方は大火傷《おおやけど》をした。一家残らず遠くの野らへ出たあとなので、泣き声を聞きつける者もなく、十歳になる女児《むすめ》は叱《しか》られるが恐《こわ》さに、火傷した女児を窃《そっ》と自家《うち》へ連れて往って、火傷部に襤褸《ぼろ》を被《かぶ》せて、其まゝにして置いた。医者が来た頃は、最早手後れになって居た。墓守が見舞に往って見ると、煎餅《せんべい》の袋なぞ枕頭に置いて、アアン※[#二の字点、1−2−22]※[#二の字点、1−2−22]※[#二の字点、1−2−22]|幽《かす》かな声でうめい
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