我等が宇宙に縋《すが》る二本の手である。好悪は人生を歩む左右の脚である。
好きなものが毒になり、嫌いなものが薬《くすり》になる。好きなものを食うて、嫌いなものに食われる。宇宙の生命《いのち》は斯くして有《たも》たるゝのである。
好きなものを好くは本能である。嫌いなものを好くに我儕《われら》の理想がある。
「天の父の全きが如く全くす可し」
本能から出発して、我等は個々理想に向わねばならぬ。
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露の祈
今朝庭を歩いて居ると、眼が一隅《いちぐう》に走る瞬間、はッとして彼は立とまった。枯萩《かれはぎ》の枝にものが光る。玉だ! 誰が何時《いつ》撒《ま》いたのか、此枝にも、彼枝にも、紅玉、黄玉、紫玉、緑玉、碧玉の数々、きらり、きらりと光って居る。何と云う美しい玉であろう! 嗟嘆《さたん》してやゝしばし見とれた。近寄って一の枝に触《さわ》ると、ほろりと消えた。何だ、露か。そうだ、やはりいつもの露であった。露、露、いつもの露を玉にした魔術師は何処に居る? 彼はふりかえって、東の空に杲々《こうこう》と輝く朝日を見た。
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あゝ朝日!
爾《なんじ》の
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