隣村の千里眼に見てもらったら、旧家主《もとやぬし》の先代のおかみの後身《こうしん》だと云うた。夥しい糞尿をしたり、夜は天井をぞろ/\重い物|曳《ひ》きずる様な音をさせてあるく。梅雨《つゆ》の頃、ある日物置に居ると、パリ/\と音がした。見ると、其処《そこ》に卵の殻《から》を沢山入れた目籠に、彼ぬしでは無いが可なり大きな他の青大将が来て、盛に卵の殻を食うて居るのである。見て居る内に、長持の背《うしろ》からまた一疋のろ/\這い出して来て、先のと絡《から》み合いながら、これもパリ/\卵の殻を喰いはじめた。青黒い滑々《ぬめぬめ》したあの長細い体《からだ》が、生《い》き縄《なわ》の様に眼の前に伸びたり縮んだりするのは、見て居て気もちの好いものではない。不図見ると、呀《あっ》此処《ここ》にも、梁《はり》の上に頭は見えぬが、大きなものが胴《どう》から下《した》波うって居る。人間が居ないので、蛇君等が処得貌に我家と住みなして居るのである。天井裏まで上ったら、右の三疋に止まらなかったであろう。彼は其日一日頭が痛かった。
 ある時栗買いに隣村の農家に往った。上塗《うわぬり》をせぬ土蔵《どぞう》の腰部《ようぶ
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